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いまのうちに、という
考え方が嫌いである。 親元で暮らしているうちに。 学生でいるうちに。 独身でいるうちに。 まだ子供がいないうちに。 ロックバンドを結成して ライブハウスで演奏することも、 海外旅行へ出かけることも レコードやCDを買うことも、 美術館へ足を運ぶことも、 社会人になったらできないから。 結婚してしまったらできないから。 子供が生まれてしまったらできないから。 だからいまのうちに、遊んでおこう。 だからいまのうちに、 好きなことを、さんざんしておこう。 みんながみんなとは言わないが、 いまの日本の大学生や若い会社員を見てると、 なんだか、そんなふうに、 いまのうち、いまのうち、という 発想が見え隠れする。 そういうの。 とてもネガティブで、貧しい考え方だと思う。 まるで品切れや値上がりの前に トイレットペーパーや煙草を 買いだめするような、 さもしい生き方だと思ってしまう。 いまを楽しむことは ちっとも悪いことじゃないけれど、 楽しめるのはいまのうちだけだから、 というのなら、それはちょっと違うぜ、と言いたくなる。 社会に出て、結婚して、子供が生まれて、 それで何もできやしないのなら、 それはすべて、自分自身の責任なんだと思う。 誰かと結婚したり子供と暮らすことは、 終着点ではなく、ただのささやかな分岐点であり、 それによって、 何かを諦めたり、放棄しなければならない、なんて。 どうしてそう考えるのか。 いつでも、どこでも、どんな状況でも 楽しみを見つけることはできるし、 遊ぶことなんて、そんなもん、簡単なことである。 その気になれば、 とにかく、生きてさえいれば。
by hobodai
| 2006-05-24 15:09
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